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小児皮膚科Pediatric dermatology

主な疾患

とびひ

皮膚科の正式病名は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と言います。細菌による皮膚の感染症です。ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌などが原因菌です。
接触によってうつって、火事の飛び火のようにあっと言う間に広がります。あせも・虫刺され・湿疹などをひっかいたり、転んでできた傷に二次感染をおこしても生じます。

とびひのイメージ画像

治療

  • 内服:抗生剤・症状が重症な場合は点滴加療
  • 外用:抗生剤
いぼ(みずいぼ・尋常性疣贅)

伝染性軟属腫ウイルスによって人から人へうつる、7歳以下の子どもに多い皮膚の感染症です。皮膚が薄くてバリア機能の未熟な乳幼児は免疫もなく感染しやすいです。
掻いてつぶれたり、掻かなくてもある程度の寿命で自然に脱落して、それがまた他の皮膚にくっついてその場所に感染し、次々と広がってしまうことが多いです。

治療

  • 経過観察
  • 摘出(麻酔テープ使用の場合は1時間の待ち時間があります)
  • 水いぼクリーム(保険適応外)

上記より保護者と相談して決定します。当院では保険適応外ではありますが水いぼクリームを導入しております。詳細は診察時にお問い合わせください。

→ 自費診療料金表

あせも

大量の発汗に伴って、汗の正常な排出が妨げられることで起こる発疹です。
高温多湿下で、汗を出すための管が詰まり、皮膚の中に汗がたまることで起こります。かゆみのある赤く小さな発疹が、たくさん汗をかいた部位に急速に現れます。
皮膚を清潔にし、涼しい環境で過ごすことで自然に消えていきます。

あせものイメージ画像

治療

外用:ステロイド軟膏等

おむつかぶれ

おむつを着用している皮膚に起こる炎症です。尿や便が長時間触れていたり、おむつ自体の刺激、むれ、摩擦などが原因となり赤みやかゆみを生じます。

おむつかぶれのイメージ画像

検査

時に、カビがはえることもあるため必要に応じて真菌検査も施行します。

治療

おむつの交換回数やスキンケアなどを指導します。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、増悪と軽快を繰り返すかゆみのある湿疹を主病変とする病気です。患者の多くはアトピー素因を持ちます。
特徴的な左右対称性の分布を示す湿疹性の疾患で、年齢により好発部位が異なります。乳児期あるいは幼児期から発症し小児期によくなるかあるいはよくなることなく再発を繰り返し、症状が成人まで持続する特徴的な湿疹病変が慢性的にみられます。
アトピー性皮膚炎の痒みの誘発・悪化因子 として温熱、発汗、ウール繊維、精神的ストレス、食物、飲酒、感冒などが特に重要とされます。

アトピー性皮膚炎のイメージ画像

検査

血液検査
血清総 IgE
アレルギー疾患患者で高値となり、アトピー性皮膚炎患者では500IU/mL以上となることが多いです。血清総 IgE値はアレルギー素因を表していると考えられ、アトピー性皮膚炎の短期的な病勢の変化は反映しませんが、長期の経過をみると重症であった例が数か月以上コントロールされた場合などには低下するので、長期的なコントロールの指標にはなりえます。
末梢血好酸球数
アトピー性皮膚炎では気管支喘息やアレルギー性鼻炎など他のアレルギー疾患よりも末梢血好酸球増多がより著しいことが多いです。重症度に相関して増加するので、病勢のマーカーとなります。
血清LDH値
重症例では血清LDH値も上昇し、病勢のマーカーのひとつとされています。皮膚の炎症による組織傷害を反映していると考えられ、皮疹がコントロールされると正常値となります。
血清TARC
アトピー性皮膚炎の重症度に一致して上昇し、血清IgE 値、LDH値、末梢血好酸球数と比べて病勢をより鋭敏に反映します。
MAST36
代表的なアレルギーの原因項目を1度に36項目測定できる検査です。

治療

  • 外用(ステロイド剤 タクロリムス軟膏 JAK阻害剤軟膏)
  • 内服(抗アレルギー剤)
  • 局所型紫外線療法(保険適応)

生物学的製剤(デュピクセント)およびJAK阻害剤(オルミエント リンヴォック)の内服希望の方は専門施設にご紹介させていただきます。

生活習慣やスキンケアを生活スタイルに合わせて指導させて頂きます。また、当院ではアトピー性皮膚炎治療ガイドラインに沿って治療します。

  • 当院では15歳以下の方の採血検査は申し訳ありませんが、対応しておりません。

  • 当院では「イムノキャップラピッドアレルゲン8」という検査は実施しております。
    指先からの採血により20分で結果がわかるアレルギー検査です。8種類のアレルゲン(花粉系:スギ・ブタクサ・ヨモギ・カモガヤ、ハウスダスト系:ネコ・イヌ・ゴキブリ・ヤケヒョウダニ)を指先からの採血により実施することもできるため、小さなお子様や静脈採血が苦手な患者さんにも実施することが可能です。